学習塾を経営するうえで、集客コストは切っても切り離せない問題です。生徒単価の向上に加えて通塾生徒数の減少など、学習塾を取り巻く環境は厳しくなっています。そのため、塾の経営者は今後ますますコストを意識する必要があるのです。
今回は、学習塾の集客コストを下げるために押さえておきたい2つの考え方について、それぞれの詳細をご紹介します。「少しでもコストを抑えたい」と考えている学習塾の経営者や先生は、ぜひ最後までご覧ください。
1. 学習塾の現状
時代の変化に合わせるように、学習塾のスタイルも変化しています。かつては5教科のいずれかを教えるという塾がほとんどでしたが、現在はプログラミングや英会話を教える塾もあります。保護者のニーズが多様化しているため、塾が提供する内容もそのニーズに合わせているのです。
一方、少子高齢化の進行もあり通塾生徒数は減少しています。経済産業省が公表している資料からは、近い将来の通塾生徒数が1,000万人を下回る可能性があることも読み取れます。
(出典:経済産業省「学習塾の動向;少子化とコロナ禍の影響」/https://www.meti.go.jp/statistics/toppage/report/minikaisetsu/hitokoto_kako/20210803hitokoto.html)
また、2013年と2018年の生徒単価を比較すると、中学生や高校生などは約1.5倍という状況です。生徒数の減少と単価の向上という状況を考慮すれば、塾の経営が難しい現実が見えてきます。
(参考:「統計データで見た学習塾の未来 PART2」/https://www.lacicu.co.jp/blog/category/l-journal/p2091/)
2. 集客コストを下げるために押さえたい考え方2つ
学習塾の競争が激しくなっている現在、生き残っていくためにはさまざまな考え方を取り入れつつ、経営の舵取りをする必要があります。ここで押さえておきたい考え方が「リファラル」「ナーチャリング」の2つです。
ここでは、集客コストを下げるうえで重要になる、リファラルとナーチャリングについて紹介します。
2–1. リファラル
リファラル(referral)とは、日本語に訳すと「紹介、委託」と訳される言葉です。現在は「リファラル採用」という言葉がよく使われており、ビジネスでは一般的に聞かれるようになりました。
学習塾の集客コストという側面から考えると、「リファラルマーケティング」を押さえることは必須です。リファラルマーケティングとは、商品またはサービスの利用者が友人などに紹介し、顧客の増加につなげるものです。また、紹介で入った生徒はそうでない生徒と比べて、新たに紹介してくれる傾向にあります。
数多くの商品やサービスで溢れる現代、商品選びに疲れる消費者は数多くいます。かつては「口コミ」を重要視する企業もありましたが、自作自演で良いレビューを書き込むといった問題が発生した結果、消費者は口コミに対する信頼をなくしているのです。一方、親しい人からの紹介は何よりも信頼できる情報源となっています。上記を踏まえると、紹介で入塾してもらえる生徒さんを増やすことが重要と言えるでしょう。
2-2. ナーチャリング
リファラルに続いて重要な考え方になるのが、ナーチャリング(nurturing)です。日本語に訳すと「育成」という言葉が当てはまります。
どんな商品やサービスにおいても、まず求められるのは「見込み客」を創出することです。学習塾の場合は「見込み生」「潜在生」という言葉が適切になりますが、今後塾生になる可能性がある人を獲得し、見込み生が塾生になるよう育てていくこと、その育てる過程をナーチャリングと言います。
ナーチャリングの特徴は、見込み客に対するアプローチが点ではなく線になること。たとえ商品やサービスに興味を持ってもらえても、すぐに購入や成約につながる可能性は高くありません。時間をかけて見込み客との関係性を構築し、お客さんとなってもらえるよう「線」で考えることが求められます。
3. リファラルとナーチャリングのメリット
リファラルとナーチャリングの概要についてご紹介しましたが、その考え方を押さえることでどういったメリットがあるのか、疑問に感じる方もいるのではないでしょうか。なぜ2つの考え方が重要と言えるのか、ここではそれぞれのメリットを2つずつ紹介します。
3-1. リファラルのメリット2つ
リファラルの代表的なメリットは以下の2つです。
・コストを抑えられる
コストを抑えて商品やサービスの売上増加を狙えることは、リファラルの大きなメリットです。通常、商品やサービスを売るためには多額の広告費を投じることが一般的ですが、お金をかければかけるほど売上が増えるとも限りません。
しかし、友人からの紹介であれば、紹介者が商品の広告やPRを行なってくれます。そのため、売上につなげるまでのコストを抑えられるのです。
・信頼性の高い口コミが広がる
商品選びに慣れている消費者は、企業から発せられる情報を鵜呑みにしない傾向があります。なぜなら、企業が発する情報は良い点のみを取り上げ、懸念点などは取り上げないことが多いからです。
その点、実際に商品やサービスを利用した人からの口コミは信頼性が高いと言えるでしょう。その口コミが広がることで売上の増加も期待できるのです。
3-2. ナーチャリングのメリット2つ
ナーチャリングの代表的なメリットは以下の2つです。
・営業効率を高められる
ナーチャリングではメルマガやLINE公式アカウントなどを用いて、見込み度合いが高まった顧客に対し情報を届ける手法が用いられます。全ての見込み客に対して実施するものではありません。
見込みリストに掲載しているすべての顧客に営業をかけるのは、時間もかかり非効率な方法と言えます。その点、ナーチャリングは自社の商品、サービスに対して興味・関心を持っており、なおかつ反応があった顧客に対して営業を実施するので、効率の良い営業活動ができます。
・長期的な追客が可能になる
見込み客に対して長期的な追客ができることも、ナーチャリングのメリットです。営業担当者が1対1で見込み客との関係性を構築するのは限界があります。ナーチャリングをうまく仕組み化できれば、営業マンに頼らず追客が可能です。
4. 学習塾が集客効率を高めるために必要なこととは?
集客効率の向上は、学習塾が生き残っていくうえで欠かせないテーマです。リファラルやナーチャリングといった考え方だけでなく、他にも意識するポイントがあるので、この機会に押さえておきましょう。
・顧客満足度の向上
どれだけ営業が成功して顧客が増えたとしても、顧客満足度が低ければ悪い口コミの発生につながります。お客さんを増やすことばかりに注力するのではなく、サービスの質も高く保てるよう意識しましょう。
・効果測定の実施
集客活動を実施した後は、どれぐらいの効果があったのかを調べる「効果測定」が必要です。効果測定を実施しなければ施策の有効性が分からず、効果がない施策を続けてしまう可能性があります。「問い合わせ件数はどの程度増えたのか」など数値で確認することが効果的です。
まとめ
今回は、学習塾の集客コストを下げるために必要な考え方であるリファラルとナーチャリングの概要、メリットなどを紹介しました。
子どもの数は今後ますます減少するため、塾生の確保はさらに激しくなっていくでしょう。なるべく効率的に集客を実施し、コストを下げることが大切です。
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